★「日本一の花火」 　以前にも行ったことのある新潟県の長岡花火。私がこの花火を初めて知ったのは、千葉の市川市ゆかりの画家、山下清のちぎり絵だった。小学校の頃だったか、八幡の京成百貨店催事場でやっていた山下清の絵画展を見に行き、この絵だけはよく覚えている。 　後、大学の頃、三尺玉を打ち上げているなどという話を耳にし、ぜひ行ってみたいと思っていた。 　初めて行ったときの興奮が再び味わいたく、２回目の長岡花火見物に向かったのだった。

★鈍行読書
　花火大会は勿論夜。夕方に長岡に着けばいいというわけで、上野駅発１０時半の快速電車で北上。高崎、水上で普通電車に乗り換え、長岡には夕方４時前に到着できた。その間車内ではずっと読書。以前は車窓がずっと気になってキョロキョロしていたものなのだが、最近はもっぱら居眠りか読書で過ごすことが多くなってしまった。
　上野を出たときは１１両編成だったのが途中で短くなって高崎には７両で到着。乗り換える水上行きは３両編成とぐっと短くなる。驚くことに、高崎から満員だった車内のおそらく１／３程度の人は長岡を目指して乗っていたのであった。花火見物以外の人も勿論いるのだろうが、関心の高さは乗客数からも感じられた。

★そういえば気になる天気
　今回天気のことは全く頭になかったのだが、朝こそ晴れていたものの、高崎駅を前にしてポツポツと雨が降り始め、渋川を過ぎた辺りからは激しい雷雨に見舞われ、利根川に張り付くようにして走行する部分のある水上前後では徐行運転まで。まあ三国山脈を抜ければ天気も変わるだろうと思っていた。案の定、越後湯沢では緑一色のゲレンデやら水田やらが眼に入り、晴れ間ものぞいていた。と浮かれたのも数十分。またまた天気は崩れだし、再び雷雨に見舞われてしまった。
　幸いにも、小雨混じる会場の河川敷で待っている間に雨は上がり、西空には夕日が現れ、天気は回復。メデタシめでたし。

★花火大会
　昭和21年、戦没者慰霊と戦災復興を願い「長岡まつり」が始まり、翌22年から、祭りの目玉として、市民による花火大会が実施されるようになったそうだ。以後全国からも注目を集める花火大会となり、近年は正三尺玉も打ち上げられ、現在に至っている。
　２日間の花火大会。 そのうち一日目を見物。花火の前に、平和の祈りを込めて、2000羽のハト型風船が夕空に放たれた。「２」「０」「０」「０」の文字花火からスタートしたプログラムは、スターマインが３分間隔で2時間休みなしに進行。名前も「ベスビアス」と火山の名前を冠して少々オーバーな気がするものの、内容も名前負けしないほど、尺玉も盛り込んだ迫力満点の大輪が夜空に開く。尺玉９４連発や二尺玉は首が疲れるほど高くまで打ちあがる。
　さらに今年は、「ミラクルベスビアス超大型スターマイン」「ベスビアス超大型ワイドスターマイン」なる妙にインフレ気味な名前の新型スターマインも登場。５箇所から同時に打ち上げる花火は、まるで映画のスクリーンを見ているような感覚だった。長岡出身のシドニー五輪水泳選手中村真衣さんに送る、「M」「A」「I」の文字花火も途中で入った。
　信濃川に架かる２つの橋を使って行われるナイアガラも見事。
　メインともいうべき三尺玉は、２度上がり、やはり何といってもあの音。地面から伝わってくるような低い音は腹にまで響いてくる。６００ｍ上空で花開く直径６００ｍの大輪は、まさに大物。

★夜行快速での帰り
　「ムーンライトえちご」という夜行快速列車がある。前回はこの指定が取れず、夜行バスで帰った。今回は指定席が比較的余裕で取れたため、こちらで帰る。勿論寝台はなくリクライニングシートだけだが、バスと違ってやはりゆとりがある。とはいっても途中駅に停車するたびに目覚めてしまい、しっかり寝る、までには至らないのであるが。
　実質２４時間の旅の後、そのまま出勤したのでした…。

★今回の列車　　「ムーンライトえちご」
　村上（新潟）と新宿を結ぶ夜行快速。「青春18きっぷ」も含む乗車券に、指定席券510円（期間によっては310円）を付け加えて乗車可能。イスは少々旧型なものの、リクライニングするし、バスよりはゆとりがあるので、比較的楽。ただし、バスと違って深夜でも完全消灯はしないので、目隠しになるものも用意したほうが落ち着けるかもしれない。
　夏休みなどは、東北、北海道などに向ける学生の利用も多いらしい

主要駅の運転時刻：
　　新宿−大宮−高崎−長岡−新潟−村上
下り2309→2343→ 130→ 405→ 506→ 605
上り 510← 430← 339← 109←2328←2231

★今回のキップ　　「青春１８きっぷ」
　すっかりおなじみ、北海道から九州まで全国ＪＲの普通列車乗り放題のきっぷ。
　ネーミングが独特であるものの、利用資格の制限はなく、大人でも子どもでも使える。
夏、冬、春の学校の休み期間を中心に発売される。
11500円で期間内の５日分使える。別に一人に限らず、５人で日帰りの場合もひとつで使えるし、1泊2日の二人旅１回と日帰り一人旅1回などという使い方も可能。一日分で考えると2300円なので、往復なら70kmを超えればすでに得。途中の乗り降りも自由。
この大安売りきっぷ、注意点もいくつか。
JRの普通列車と快速列車専用の切符なので、特急や新幹線などには乗れない。
一日分は０時（東京・大阪圏など一部では終電）まで有効なので、もしちょっと電車が遅れて目的地までたどり着けなくなってしまっても、基本的には日にちが変わった時点で無効になります。
詳細は、www.jreast.co.jpで確認してみて下さい。

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